月別アーカイブ: 2012年3月

つきのふね

つきのふね (角川文庫)
つきのふね (角川文庫)
posted with amazlet at 12.03.20
森 絵都
角川書店

文章を書くとき、いつも書き出しの文章と締めの文章で悩む。書きたい内容が決まっても、どのように書き出してそこへ繋げていくのか、どのようにそこから結ぶのかは決まらないからだ。取れる選択肢が多くて、悩む。

小説を書く人も当然それを心得ていて、良い文章を書く人は、書き出しや結びも思わず唸るような文章を書く。

「つきのふね」の結びの文も唸るような一言だった。結びの言葉自体にも素直に感心したが、それ以上にその言葉を発するきっかけとなったあるモノに感心した。それはそのモノが、さかのぼってある行為にまで辿り着くからだ。(その繋がりに深い意味は見いだせなかったが。)

同じモノ、あるいは同じ場所が上手く使い回されていることは、それ自体が驚きを生むものだ。それに加えて結びの一言に上手く繋げているのだから、見事である。読み終えた瞬間の爽快な気分。