誰も知らない

「誰も知らない」のではない。見て見ぬふりをしているだけだ。

 誰も知らない
誰も知らない


評判通り、とてもいい映画だと思う。
重く気分が沈むけれど、その分多くのことを考えさせられる。

子供は、弱い。
大きくなった私たちが漠然と思い返すよりも、ずっと弱い。子供たちだけでは本当にどうしようもないんだと、この映画は再認識させる。

時折、小学生の頃に戻りたいなんて言葉を聞くけれど、とんでもないと思う。時間だけは有り余っているのにできることは少なく、自由という点では何もできないに等しい。例え間違っていると感じても、大人の言うことに従わざるを得ない。状況を変えたいと思っても、知恵も、力も、お金もない。自立して生きていくには、あらゆるものが不足しすぎている。

子供は弱い。けれどその一方で、同時に今の私たちが想像するよりも多くのことを敏感に感じているし、多くのことが分かっている。子供は大人の感情を感じ取り、大人の行動を理解し、その上で時に何も分からない子供を演じる。
劇中では、子供たちは母親の行動が間違っていると理解している。理解していて、それでもそれを受け入れるしかない。子供であるということは、そういうことだ。

映画を見ながら、今はもう感じることのない、子供の時に感じていた懐かしい気持ちが呼び起こされ、消えた。
喉の奥に残った、辛い感情だけが消えないでいる。

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